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飲んで美味しい「水」の条件とは?

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飲むときの「水」について

どうも、あとむら(@gastronomy_work)です。
前回の記事では「水」と料理の関係について書きました。

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飲食店にとって「お冷」は大切なサービスの一つです。
今回は飲料水について考えてみます。
「水」には何の味も無いようですが、水の違いによって「美味しい」「美味しくない」を感じるように我々の舌は非常に繊細に出来ています。
しかし、美味しい水とそうでない水の違いを説明しようと思っても難しいと思います。

厚生省の「美味しい水研究会」

「美味しい水」とは一体何かという疑問の、一つの指標となるものがあります。
1985年に厚生省(当時)の「美味しい水研究会」が発表した「美味しい水の要件」です。

参考ページ:トピック第17回 おいしい水 | 水源・水質 | 東京都水道局

水中に含まれるミネラルや残留塩素、温度などの要件について具体的な数値を出しています。

・蒸発残留物 30~200mg/ℓ
・硬度 10~100mg/ℓ
・遊離炭酸 3~30mg/ℓ
・過マンガン酸カリウム消費量 3mg/ℓ以下
・臭気強度 3以下
・残留塩素 0.4mg/ℓ以下
・水温 最高20℃以下


この数値を元に美味しい「水」の条件とは何か私なりに考えてみます。

美味しい「水」の条件とは

温度

まず、水の味は温度によって印象がかなり変わります。飲料水は20度を超えると、美味しい水であってもあまり美味しいと感じなくなります。

ビールやシャンパンなどは冷蔵庫から出したばかりの良く冷えてるものが一番美味しいと感じますが、あまり味の無い飲料水は15度ぐらいが一番美味しく感じます。

温度によって味の感じ方が変わるというのは料理も同じで、それについては別記事でまとめてあります。

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湯冷ましが美味しくないと言われる理由

水の中には微量ながら二酸化炭素や酸素が含まれていますが、これらが溶け込んでいるほど、口に含んだときの爽やかさを感じます。
湯冷ましが美味しくないと言われる理由は、沸騰させたときに水に溶け込んでいた炭酸が抜けてしまうからです。
3~30mg/ℓは炭酸が含まれていた方が良いというのはそういうことです。

におい

水の「におい」を人間は非常に敏感に感じ取ります。水道水のサビの臭いやカルキ臭は水を不味く感じさせる原因の一つです。
「美味しい水研究会」の残留塩素の項目はカルキ臭に影響を与えます。
臭気強度というのは全体の臭いの指数です。

蒸発残留物

蒸発残留物とは水を完全に蒸発させたときに残る物質のことです。
主な成分はミネラルです。
飲料水の美味しさに適度なミネラルは必要で、それらの全く含まれていない完全なH2Oである蒸留水は無味無臭で美味しいとは言えません。
しかし、ミネラルが多すぎると苦味を感じるようになります。
「美味しい水研究会」では30~200mg/ℓぐらいとされています。

硬度

硬度とは水に含まれるミネラルの中でも特にマグネシウムとカルシウムの含有量の合計です。
「美味しい水研究会」では硬度は10~100mg/ℓが良いとされていますが、これは「軟水」に分類されます。
しかし、飲料水の硬度と美味しさについては個人の好みによるので一般化するのは難しいかもしれません。
「エビアン(硬水)」と「いろはす(軟水)」どっちが美味しいと感じるかは人それぞれでしょう。
和食を作るときには軟水が適していますが、飲料水は関してはそうでもないかと思います。

料理に使う水の硬度に関しては、辻調のサイトが非常にわかりやすいです。
http://www.tsujicho.com/oishii/recipe/pain/viva/water2.html

過マンガン酸カリウム消費量

過マンガン酸カリウム消費量とは、簡単に言えば水中に含まれる有機物の量のことです。
多いと渋みを感じたり、多量に含むと塩素の消費量に影響を与え、水の味を損ないます。

まとめ

「おいしい水の要件」を元に考えてみましたが、あくまで一つの要件であって「絶対条件」では無いです。
特に硬度などは人によって好みの違う部分が大きいところであると思います。
料理に使う水と飲料水では違うだろうし、まだまだ考えていく余地の大きい部分であると思います。