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料理の仕事における雑用の大切さ

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雑用仕事の大切さ


どんな調理場でもそうだと思いますが、働いていると雑用仕事は本当に多いです。
特に就職して1年目2年目という人は、朝から夜まで雑用ばっかりで1日が終わるというような人もいるんでは無いでしょうか。
調理場の中を動き回って"追い回し"などとも言われますね。
中には、これが辛くて辞めてしまうという人もいます。
僕は料理の世界に22歳で入って、後輩が入ってきては辞め、入ってきては辞め、というような状態だったので、丸々3年間雑用ばっかりでした。
3年というのは本当に長くしんどかったし、遠回りしたと思うこともあるのですが、少しは良かったかなと思うこともあります。

雑用と一言で言っても色々あります。例えば、野菜の保存の方法一つ取っても、1回では覚えきれないことも多いです。
雑用仕事ばかりだと、とても辛いです。しかし、仕事には一つ一つの事に意味があります。ここを真剣に考えるかどうかで数年後が大きく変わります。
先輩たちの仕込みの材料を冷蔵庫から準備したり、道具を揃えたり、買い物に行ったり郵便局に手紙を出しに行ったり、辛いことも多いですが大切な仕事で勉強になる事も多いです。

まず、入社したての頃では道具の名前も片付け方もわからなかったと思います。
野菜の名前も、魚の種類も、献立の順番も、何もかも知らないことが多いと思います。
雑用をこなして行くうちに、物の名前や区別が出来るようになります。そして、なぜこの材料はそのように保存するのかなぜこの道具がここに置いてあるのか、という理由もわかります。また、調理場の中の仕事がどのように回っているのか、という事も何となくわかるようになります。

雑用仕事は調理場全体を把握するチャンス

調理場の仕事というのは、ある程度の規模の店なら、年数が経つにつれてどんどん細かく分業化していきます。焼き場の担当なら焼き場の仕事、煮方の担当なら煮方の仕事、というようになり、一日中その仕事に付きっきりになって、なかなか他の仕事を見る余裕が無くなってきます。
雑用仕事というのは、調理場の仕事全体を見れるチャンスでもあるのです。入社したての頃に全体の流れを掴むということは物凄く意味があることです。次に調理場全体を見る立場になるのは指導的な立場になってからになります。残念ながら、中には40歳、50歳になっても自分の周りしか見えないような人もいます。若手のときに適当に仕事を流していた積み重ねの結果だと思います。

また、雑用仕事というのは、先輩方に自分をアピールするチャンスでもあります。
言われたことをただやっているだけでは、「気が利かない奴」です。
調理場の仕事は、忙しいときは本当に次から次へと仕事が流れていき、先輩方もあなたの指示まで気が回らないときもあるでしょう。
気を利かせて先回りして準備しておく。指示されなくても動けるようになる事を当面の目標とする。そういう思いで仕事に取り組むことが、例えば将来カウンターのお店でお客様と対面して仕事をするときに、お客様の要望に先回りしてサービスすることが出来たり、自分が調理の仕事を任されたときの段取りが上手くなったりということに繋がります。

野菜の整理をしながら素材を見る目を養うゴミ捨て係になったらゴミの袋の使用量を減らしたり個々の先輩方の指導の方法を比べて自分に後輩が出来たときの教え方を考える、そういう工夫をする事で、自分が将来的に料理長の立場になったときや、独立したときに役立つようになります。これからの時代、少しずつ伝統や慣習というものは変わりつつあると思いますが、どんな仕事であっても真剣に向き合えば役に立つことが少なからずあるでしょう。

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