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【調理の技法 第1回】「切る」 その1

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今回から数回にわけて日本料理の調理の技法について書いていきたいと思います。

調理の技法と言えば、「焼く」とか「揚げる」とか「炊く(焚く)」などが最初に連想されると思います。第1回の今回は、その中でも少し盲点になりがちな「切る」ことに焦点を当てたいと思います。

「切る」ことは、丁寧に言えば「包丁を使って大きいものを小さく分断すること」ですが、これも立派な調理のひとつです。

人間は全く同じ味のものを食べたときでも、食べるものの大きさによって、口に入れたときの感じ方が変わります。お祭りのときに屋台で、焼きとうもろこしを食べるときを想像してください。焼きとうもろこしを丸かじりしたときと、一粒一粒包丁でバラバラにしたものをスプーン等ですくって食べたときと、感じ方が違うと思いませんか。丸かじりしようが、スプーンですくって食べようが「焼きとうもろこし」という料理に関しては何の違いも無いわけです。しかし、口の開け方、口の中に含む量によって食べたときの感じ方は別のものになります。「切る」という調理方法は、その領域を調節するのに大きく関与してきます。
「切る」ことによって「美味しくする」ことができるのです。焼いたり炊いたりするのと同じように、切ることも大事な調理の要素になります。


日本料理には食材の適切なサイズというものがあります。それは昔の単位でいうと、一寸。約3センチです。もちろん例外は沢山ありますが、基本は一寸と考えてよいでしょう。いわゆる「一口の大きさ」などと言われます。

また、下処理や仕込みの段階で「切る」ことによって、仕上げの際の味をコントロールすることが出来ます。茄子や椎茸を炊くとき、炊く前に表面に細かく包丁で目を入れることがあります。冬瓜や大根を炊くときに、隠し包丁と言われるテクニックで切り目を入れることがあります。これらは味の染みこみやすさや、火の通りやすさ、仕上がりの食感をコントロールのに大きく関与してきます。
焼き魚や煮魚を作るときも皮目に切り目を入れることがあります。これらは、味や火の通りのコントロールだけでなく、加熱した時に皮が破れたりしないようにする効果があります。

誰にでも出来て単純そうに見える、毎日のように行っている切るという仕事の重要性をわかっていただけたと思います。

次回は、その切ることが一番重要なポイントになってくる「お造り・刺身」について書いていきたいと思います。


のどぐろの塩焼き@炭焼 芹生
皮に切れ目が入っているのが、おわかりになると思います。


炭焼 芹生

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