ガストロノミー.work

日本料理の次世代への継承と、更なる発展。日本料理を未来に繋ぐ。

【料理の科学】温度と味の変化

温度と味 「熱いものは熱いうちに。冷たいものは冷たいうちに。」 日本料理の仕事をしている人ならば誰でも聞いたことのある言葉だと思います。 当たり前すぎて深く考えたことも無い、という人も中にはいるかもしれません。 今回は料理と温度について考えて…

【献立について考える】「水物」

甘味もひとつの「料理」であるという認識を コース料理の献立の締めくくりは甘いものが出されます。 今回は水物について考えていきたいと思います。「食後のデザート」という言葉もあります。デザートというのは単なるオマケとまでは言いませんが、それが「…

【献立について考える】「御飯」

米の美味しさ 米は美味しい。 毎日食べても飽きないものは米ぐらいです。 美味しさの極致とは、米で無いかと思うぐらいです。 料理屋では、大体締めくくりは御飯物と決まっています。 献立によっては麺類になったり、雑炊になったりということもありますが、…

【献立について考える】「酢の物」

人間の味覚と「酢の物」 今回のテーマは「酢の物」です。 驚くことに、日本料理の献立の中で"味"が献立の名前になっているものは、この「酢の物」、つまり酸味だけです。人間の味覚は5つの味を感じると言われています。 つまり、「甘味」「辛味」「鹹味(か…

【献立について考える】「焚き合わせ」

「焚き合わせ」について考える 「焚き合わせ」についてですが、「焚く・炊く」というのは日本料理の調理法の中でも一番難しいものであるというのは、以前に【調理の技法】の記事で書いた通りです。参考記事 単に「煮物・炊き物」という場合は、ご飯のおかず…

【献立について考える】「八寸」(八寸とは何か)

八寸とは 「八寸(はっすん)」とは少し聞きなれない言葉かもしれません。日本料理の献立の一つです。 元々は茶道の懐石において、一辺が8寸(約24センチ)の正方形の杉の盆に山の物と海の物を一種類ずつ盛り付けたものです。一汁三菜の一通りの料理を食べ終…

【料理人と暴力】料理長が勘違いしてはいけない3つのポイント

料理人と暴力 悲しい事実ですが、日本料理の一部の職場では日常的に大声で怒鳴ったり、殴ったりするような人がいます。 数年前にはとある東京の有名な料理店の主人が、従業員の見習いの人に暴行して睾丸を破裂させたという事件がヤフーのトップになったりし…

日本料理の世界の「厳しい」「辛い」とパワハラは全く別の問題

「厳しい」ということパワハラとは違います 料理の世界で働くことは「修行」などとも形容されます。特に和食の板前なんていうと、どうしても「厳しい」とか「辛い」というイメージがついて回ります。他のフレンチや中華の料理の仕事をしている人に話を聞いて…

【献立について考える】「焼物」

「焼物」について考える 「焼く」ということについては、以前に【調理の技法】シリーズで書かせていただきました。 今回は献立の流れの中における「焼物」はどういうものなのか考察していきたいと思います。 「一汁三菜」という言葉を聞いたことがある人は多…

物凄いスピードで変化していく時代に、日本料理の世界はどうするべきか

柔道と相撲 柔道と相撲はどちらも日本で生まれた伝統的な格闘技であり、スポーツです。しかし、現代社会では全く違う状況下に置かれています。柔道は世界でも人気のスポーツで、オリンピックの種目になっており、世界中で本気で金メダルを目指す人が沢山いま…

お金を取れる「料理」とは

おかずと「料理」の違い 賄い(まかない)は調理に慣れるということを考えたとき、とても重要な仕事であると以前に書きました。 しかし、賄いはお金の取れる「料理」ではありません。 我々が目指すべき「料理」とは、季節感にこだわり、素材にこだわり、調理…

【京都2018】ミシュラン三ツ星 日本料理店の中国人の口コミまとめ【海外の反応】

中国人観光客による京都のミシュラン三ツ星店の評価 日本に上陸したときは賛否の多かったミシュランガイドですが、今ではすっかり恒例行事として定着したように思います。 「京都・大阪 2018年版」も11月10日に発売され、注目している方もいるのではないでし…

「お造り」について考える その3

お造りについての3回目の記事です。 1回目、2回目も合わせてご覧ください。 お造りと醤油 醤油は日本独特の調味料でありながら、日本料理に必要不可欠な調味料です。特にお造り・刺身はその最たるものでないでしょうか。 お造りという料理が発展・普及した理…

「お造り」について考える その2【あしらい篇(「けん」と「つま」の違いなど)】

前回の記事ではお造りの、主に魚の扱い方について書きました。 今回は「あしらい」について書いていきたいと思います。 前回の記事をご覧になってない方は、そちらも合わせてご覧ください。 「あしらい」について あしらいとは あしらいとは、料理の盛り付け…

「お造り」について考える その1【プロの魚の扱い方編】

「お造り」について考える 献立の流れの中においての「お造り」について考えていきたいと思います。「造里(つくり)」と表記したり、「刺身(さしみ)」と呼んだりもします。参考記事:【料理の語源】「造り」と「刺身」の違い単に魚介類を切り身にしただけ…

「賄い(まかない)」から学ぶこと

「賄い(まかない)」とは 既にご存知の方も多いですが、賄い(まかない)とは、従業員のための食事のことです。昼夜の営業と片付けが終わって、夜の営業までの間の時間や、職場から帰る直前に食べることが多いです。 お店によって色々なルールがあると思い…

料理の仕事における雑用の大切さ

雑用仕事の大切さ どんな調理場でもそうだと思いますが、働いていると雑用仕事は本当に多いです。 特に就職して1年目2年目という人は、朝から夜まで雑用ばっかりで1日が終わるというような人もいるんでは無いでしょうか。 調理場の中を動き回って"追い回し"…

【書評】堀江貴文「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」は料理人なら全員読むべき

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する作者: 堀江貴文出版社/メーカー: ぴあ発売日: 2016/10/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 飲食店の経営に関する本は山ほどあれど… 書店に行けば飲食店の経営に関する本は沢山あります。 だいた…

「煮物椀」について その4【様々な種類の吸い地と煮物椀のポイント】

煮物椀について考える記事の4回目になります。 今回でお椀に関しては最終回です。 前回までの記事をご覧になってない方はそちらまどうぞ。 色々な種類の吸い地 お椀に使われる吸い地は「澄まし仕立て」が多いですが、それだけではありません。 色々な種類の…

「煮物椀」について その3【吸い口・あしらい編】

煮物椀についての3回目です。 1回目2回目をまだの方はそちらからお願い致します。 吸い口について考える 「吸い口」とはお椀に入れる香りのもののことです。 木の芽や柚子、茗荷やすだち、生姜などが多く使われます。季節感。香り。味のバランスの調整。盛り…

「煮物椀」について その2【椀種についての考察】

椀種について考える 前回は吸い地についての記事を書いています。 まだご覧になってない方はそちらも合わせてお願いします。 今回は椀種について考えて行こうと思います。 「煮物椀とは具をメインにした吸い物」であるという風に思われている方もいるかもし…

「煮物椀」について その1【吸い地の味付け】

「煮物椀」について考える 「煮物椀」についてです。 単に「お椀」と呼んだり、「椀物」「椀盛」と呼んだりもします。参考記事 煮物椀と造りを合わせて「椀刺し(わんさし)」と言って日本料理のメインとなる料理です。お店、料理人の包丁の技術が試されるの…

【料理の語源】「煮物椀」と「吸い物」「汁物」

「煮物椀」と「吸い物」の違い 「煮物椀」と「吸い物」の違いです。 実際に日本料理の現場で仕事をしている人間の感覚でいえば、「煮物椀、椀物」と「吸い物、汁物」とは大きな違いがあるように思います。 調理場のエライ人の「なんやねん、このお椀。汁ちゃ…

「ロボットに奪われる仕事」について思う事

もはや人間はコンピュータに勝てない 「ロボットに奪われる仕事」なんて事を言うと、抵抗がある人もいるかもしれません。 しかし、ロボットやAIの進化は、人間に勝つのは絶対不可能と言われていた囲碁や将棋では世界のトップに勝つようになりました。 また、…

「先付」について その3【オススメの料理の本など】

「先付」についての考察の3回目です。 1回目、2回目を読まれてない方はそちらからお願いします。 「先付」でお客様の特徴を把握する 先付というのいうのは、お客様に取ってお店の第一印象であると述べました。 しかし、同時にお店にとってもお客様の第一印象…

「先付」について その2【続・先付の条件】

前回の記事の続きです。 前回の記事をご覧になってない方はこちらから 続・先付の条件 さて、先付に必要な条件の続きです。 季節が感じられる 日本料理と言えば季節、季節、季節。 献立を考える立場の人は、毎日季節の事を考えている、季節を何よりも大事に…

「先付」について その1【先付の条件】

最初の料理について考える 「先付」についてです。 お店によって「前菜」と呼んだり、「突き出し」と呼んだり、「向付」と呼んだり、また「先八寸」だったり、呼び方は色々ですが、それは一旦置いておきます。 コースの一番最初の料理について考えようと思い…

「未在」に行ったときの話

「ミシュランガイド京都・大阪」の三ツ星常連の未在(みざい)に行ったときの話。 この店を評して、主人の石原氏の名前から「石原劇場」という方がいる。しかし、私はそれは違うと思う。ここには思わずドキッとするような名台詞も、派手なアクションも無い。…

「地図」を見るのはやめて「コンパス」を持とう

ネガテイブなイメージの料理の世界 日本料理の板前の世界というと、どんなイメージを抱かれるでしょうか? 「厳しい」「しんどい」「辛い」「修行」 こんな言葉が並ぶ方も多いのでは無いかと思います。最初は雑用&洗い物ばっかり、すぐに怒鳴られるし、殴ら…

【調理の技法 第5回】 「炊く(焚く)」その2

前回の記事の続きになります。 「炊く」とは最も重要な調理の技法 「炊く」という調理方法は、日本料理の中でも最も重要な調理方法でないかと思います。「焚き合わせ」はもちろんですが、広義で考えれば、出汁を引くことも、ほうれん草のお浸し、鴨ロース、…